就活浪人は不利？就活留年との違いやデメリットを解説

就職活動を控えた学生の中には、卒業後すぐに就職が決まらず、再度就職活動に挑戦する「就活浪人」という選択をする人もいます。

しかし、就活浪人にはさまざまなメリットとデメリットがあり、その判断は慎重に行う必要があります。

本記事では、就活浪人が新卒や既卒、第二新卒との違いや、就活留年との比較について解説し、就活浪人の成功のためのポイントをお伝えします。

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就活浪人とは？

就活浪人とは、大学を卒業した後にすぐ就職せず、再び就職活動を行うことを指します。
就活浪人を選ぶ理由はさまざまで、内定が得られなかった場合や、もっと自分に合った企業を見つけたいと考える場合が含まれます。

文部科学省の調査によると、毎年一定数の学生が就活浪人を選んでおり、その割合は8％前後に上ります。

就活浪人を選ぶことで、前回の就活経験を活かしつつ、自分の目標ややりたいことを見直す機会となりますが、一方で精神的なプレッシャーや周囲からのサポートが少ないといったリスクも伴います。

就活浪人と就活留年の違い

就活浪人と就活留年は混同されがちですが、明確な違いがあります。
就活留年とは、在学中に就職活動を続けるために卒業を延期することを指し、大学のサポートを受けながら就活を行える点が大きな特徴です。

一方、就活浪人は大学を卒業してから就職活動を再開するため、大学からの支援が受けられない場合が多くなります。
また、就活留年の場合は新卒扱いで就職活動が行いやすいのに対し、就活浪人は既卒として扱われることが多いため、企業側の印象や選考基準が異なることがあります。

就活浪人は新卒？既卒？

就活浪人が新卒扱いになるか既卒扱いになるかは、企業によって異なります。
厚生労働省のガイドラインでは、卒業後3年間は新卒枠への応募を認めることが推奨されていますが、すべての企業がこのルールを適用しているわけではありません。

そのため、就活浪人として就職活動を行う場合は、自身がどの枠で扱われるかを企業に確認し、応募先の選定や対策を練ることが重要です。

第二新卒とは何が違う？

第二新卒とは、新卒で就職した後、数年以内に転職を考える若手の求職者を指します。
就活浪人とは異なり、社会人経験があるため、ビジネスマナーや仕事の基本的なスキルを持ち合わせていることが特徴です。

そのため、企業からの期待値や選考基準も異なり、即戦力としての要素が求められることが多くあります。
就活浪人の場合は、実務経験がない分、新卒と同様にポテンシャル採用が行われることが多いですが、その分しっかりとした自己分析と対策が必要です。

就活浪人と就活留年の比較

就活浪人と就活留年にはそれぞれメリットとデメリットが存在し、就職の難易度やかかるリソース、精神的な影響など、選択する際には慎重な検討が求められます。

就職の難易度

就活浪人は、就活留年に比べて就職の難易度が高いとされています。

新卒採用市場では在学中に行う就活が一般的であり、企業側も新卒学生を優遇する傾向があります。
そのため、既卒扱いとなる就活浪人は選考で不利になる場合も少なくありません。

しかし、一度就職活動を経験しているため、過去の失敗を糧に効率的に就活を進められるという点ではメリットもあります。

時間やお金などのリソース

就活浪人は、卒業後に就活に専念できる分、時間のリソースが多い一方で、金銭的な負担が増える可能性があります。

就活留年の場合、在学中に活動するため学費や生活費の負担が続くものの、大学のキャリアサポートを受けられることが支えとなります。
一方で、就活浪人は生活費や交通費、就活関連の支出をすべて自己負担しなければならず、資金計画が重要です。

メンタルヘルス

就活浪人と就活留年の大きな違いは、精神的な負担にあります。

就活浪人は周囲からのサポートが少なく、孤独や焦りを感じやすくなることが多いです。
特に、周りが社会人生活を始めている中での就活は、精神的なプレッシャーが大きくなりがちです。

一方で、就活留年は大学という環境で就活を続けるため、精神的な支えがある程度確保されているのが利点です。

就活浪人の割合｜文部科学省の調査

文部科学省の調査によると令和5年度3月に卒業するの学生のうち、進学や就職、臨時労働者にならない割合は8.2%でした。
以下に回答結果の割合を出します。

卒業後の進路	回答割合
進学	12.5%
就職	75.9%
有期雇用労働	1%
臨時労働	0.6%
臨床研修医	1.7%
上記以外	8.2%
不詳・死亡	0.1%

文部科学省：「令和5年度学校基本調査｜大学（学部）卒業後の状況」

就活浪人のデメリット

就活浪人には、時間をかけて就職活動を再挑戦できるという利点がある一方で、いくつかのデメリットもあります。

企業側からの評価や精神的なプレッシャーなど、考慮すべき要素が多いため、しっかりと準備を行うことが求められます。

同じ企業には落ちる可能性が高い

就活浪人として再度同じ企業に応募する場合、以前の選考結果や面接の印象が影響することがあります。

そのため、前回と同じ企業に再挑戦する場合には、過去のフィードバックをしっかりと振り返り、改善点を明確にしてから応募する必要があります。

同じ企業に落ちることが多いというリスクがあるため、新たな企業への挑戦も視野に入れると良いでしょう。

就活生との大きな差が求められる

就活浪人は既卒扱いされることが多いため、新卒学生とは異なる基準で選考されることがあります。

企業は就活浪人に対して「なぜ新卒時に就職できなかったのか」や「その期間に何をしていたのか」を厳しく問う傾向があり、説得力のある説明が求められます。
このため、在学中の新卒就活生よりも高いハードルが設けられることが多くなります。

精神的に焦ることが多い

就活浪人期間中は、周囲の友人が次々と社会人生活を始める中で、自分だけが取り残されているような感覚に陥りやすくなります。
この焦りが、無理な就活スケジュールや過度なプレッシャーを生み、結果的に選考に悪影響を及ぼすことがあります。

自分のペースを保ちながら、冷静に就職活動を進めるためのメンタルケアが重要です。

大学のサポートを受けられない可能性がある

就活浪人は大学を卒業してから就職活動を行うため、在学中に受けられた大学のキャリアサポートや就職支援が利用できないことが多いです。
このため、情報収集や面接対策などをすべて自力で行う必要があり、サポートが少ない分、自己管理能力が問われます。

既卒者向けの就職支援サービスを利用するなど、代替手段を検討することが求められます。

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就活浪人にメリットはある？

就活浪人にはデメリットが多い一方で、自分の将来について再考し、就職活動を有利に進められるいくつかのメリットも存在します。

これらのメリットを最大限に活かすことで、次の就職活動を成功に導くことができます。

改めて自己分析ができる

就活浪人は、自分のやりたいことや就職の目的を改めて見直す機会となります。

新卒時に焦って就職先を決めてしまった人や、十分に自己分析を行えなかった人にとって、落ち着いて将来のビジョンを再確認できる貴重な時間となります。
この時間を活用して、より深い自己分析を行い、自分に合った企業を見つけることができます。

経験を生かして効率よく就活できる

就活浪人は一度就職活動を経験しているため、応募書類の作成や面接対策において、効率的に取り組むことができます。

過去の経験から学んだ成功例や失敗例を活かし、戦略的に就活を進めることが可能です。
新卒時と比較して、自信を持って選考に臨むことができるのは大きなメリットです。

就活に使える時間が長い

就活浪人は卒業後、就職活動に専念できるため、新卒学生よりも就活に充てる時間が多くなります。

このため、しっかりと企業研究を行ったり、インターンシップやボランティア活動に参加する余裕も生まれます。
時間的な余裕を活かして、より充実した就活を行うことができるでしょう。

ただし、時間があるからといってダラダラと過ごすのではなく、目標を設定し計画的に活動することが重要です。

就活浪人以外の進路

就活浪人だけが就職活動の選択肢ではありません。

卒業後の進路には、大学院への進学や海外留学、就職留年などの選択肢もあり、それぞれの道が持つ特徴やメリットを理解した上で、自分に最適な選択をすることが重要です。

大学院への進学

大学院への進学は、専門知識をさらに深めたい、あるいは研究者としての道を目指したい人にとっての選択肢です。
また、学部卒よりも高度な知識やスキルを習得することで、将来的に専門職や高度な業務に従事できる可能性も広がります。

就活浪人と比べて、学びの時間を持てるため、特定の分野でのスキルアップを図りたい人に向いています。
ただし、進学には学費や時間がかかるため、キャリアプランを明確にした上で決断することが大切です。

海外留学

海外留学は、異なる文化や価値観に触れながら語学力を向上させることができる選択肢です。
国際的な視点を持つことで、将来のキャリアにプラスになる経験を積むことができます。

また、留学中に取得できる資格やスキルが就職活動での強みになる場合も多いです。

ただし、費用や留学先での生活などを含め、しっかりとした準備が必要となります。
留学経験をどうキャリアに活かすかを考えて行動することが重要です。

就職留年

就職留年は、在学中に卒業を延ばして就職活動を続ける方法です。
大学のサポートを引き続き受けられ、卒業してしまうと利用できない新卒向けの就活サービスも活用可能です。

ただし、学費や留年に対する周囲の目線も考慮する必要があります。
就職留年を選ぶ場合は、大学側の支援や自分のモチベーションをうまく活用し、早期に内定獲得を目指すことが重要です。

就活浪人でも就活を成功させるコツ・ポイント

就活浪人でも、しっかりとした準備と戦略を立てることで就職活動を成功させることは十分に可能です。

以下のポイントを意識して、次の就活に向けた準備を進めましょう。

これまでの就活を振り返り改善点を挙げる

まず、これまでの就活を振り返り、自分のどこに改善点があったのかを洗い出すことが重要です。

履歴書やエントリーシート、面接での受け答えなど、各選考ステップでのフィードバックを再度確認し、具体的な改善策を練ることが成功への近道です。
過去の経験を活かし、再挑戦するための糧にしましょう。

なぜ就活浪人をするのかを明確に言語化する

就活浪人を選んだ理由を明確に言語化することは、選考においても大きな強みとなります。

企業から「なぜ新卒時に内定が得られなかったのか」や「その期間に何をしていたのか」と問われることが多いため、その理由をポジティブに説明できるよう準備しておくことが重要です。
また、この過程で自分のキャリアに対する目標や意欲も再確認できます。

改めて自己分析を行う

自己分析をもう一度しっかり行うことで、前回の就活時には見えてこなかった自分の強みや弱みを再発見できます。

就職浪人期間中は、自分の価値観や希望する働き方を改めて考える絶好の機会です。
時間をかけて深く自己分析を行い、次の就活に向けた戦略を立てましょう。

より詳細な業界分析・企業分析を行う

業界や企業の詳細な分析を行い、自分に合った企業や働き方を見つけることが、就活浪人期間を有効に過ごすためのポイントです。

興味のある業界の動向や企業の経営状況、採用傾向などを徹底的に調べ、自分の強みがどの企業で発揮できるかを考えることで、選考対策がより効果的になります。

就職浪人の期間中に何かしら目標を達成する

就職浪人期間中には、資格取得やインターンシップ参加、ボランティア活動など、何かしらの目標を達成することが大切です。

これにより、企業に対して前向きな姿勢をアピールできるだけでなく、自分自身の成長を実感することができます。
この期間を自己成長のチャンスと捉え、積極的に行動することが、次のステップへの大きな一歩となります。

就職浪人に関するよくある質問

就活浪人については、多くの人が不安や疑問を抱きがちです。

以下では、よくある質問に対する回答をまとめましたので、就活浪人に対する理解を深める参考にしてください。

何年まで就活浪人しても大丈夫ですか？

「何年まで」という明確な基準はありませんが、就職においてはできるだけ就活浪人はしない方が有利です。

就活浪人した場合は、その後のハードルが一段と高くなるため基本的には新卒で内定をもらうのがいいでしょう。

就職浪人は不利ですか？

多くの場合は就活浪人が有利になることは少ないと考えられます。

採用側の目線で考えると、採用するとなった時に就活浪人が1つの懸念になることがあります。

就活浪人でも新卒扱いされますか？

就活浪人は冒頭でも述べたとおり既卒扱いになります。

就活浪人についてのまとめ

就活浪人は、新卒時に希望する企業へ就職できなかった場合の再挑戦の一環として、一定の選択肢となり得ます。
しかし、選考のハードルが高く、周囲のサポートが得にくいなどのデメリットも存在します。

その一方で、自己分析や企業研究をより深め、これまでの経験を活かして再挑戦する機会としても価値があります。

重要なのは、就活浪人期間を無駄にせず、次のステップに向けて計画的に行動することです。
戦略的な準備を行い、企業へのアピールポイントを明確にすることで、就職活動を成功に導くことが可能です。